株式会社シアテック 株式会社シアテック

CIATEC INFORMATION

CIATEC INFORMATION No.82

CIATEC
INFORMATION
平成24年7月

No.82
お取引先様 各位
「里山砂防事業による流木対策設計」のご紹介

皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
日頃は格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。

 今回は、里山砂防の一環として取り組んだ「流木対策設計」についてご紹介させていただきます。
 近年、手入れ不足の森林の増大に伴い、斜面崩壊や台風等による林内の倒木が豪雨により土石流や洪水とともに流出し、家屋を破壊したり、橋を閉塞して洪水被害を拡大する流木災害が頻発しています。

(里山砂防:裏面参照)

 本業務は、砂防堰堤の整備と併せて、渓流の谷筋を中心に、流木となる恐れのある支障木(生育不良木、倒木、枯木)を除去することを目的に、流木対策設計を行いました。
 本業務では、流域内における森林の荒廃状況を把握するとともに、作業道のルートを計画するための里道等の有無や地形・地質等の現地調査を行い、その調査結果に基づいて、伐倒・集材・搬出といった支障木搬出方法の計画や、集材用の索道及び搬出用の作業道について設計しました。
 計画した作業道は、小型の林内作業車が走行可能な平面・縦断線形で、コンクリートを使用せず現地発生材(土・石・伐採木)を使用する簡易な構造とすることで、耐久的かつ安価に開設できることが特徴です。


事業の効果は、国土保全や災害の軽減といった直接的効果だけでなく、雇用拡大や搬出木の有効利用による地域活力の向上も期待されています。

弊社は、地域建設コンサルタントとして、公共土木施設の調査・設計を通して、安心・安全な社会づくりに貢献してまいります。



里山砂防の概要

【里山砂防の背景】
 里山は、生活環境の一部として手入れされてきましたが、中山間地域では人口の減少・高齢化により担い手が不足し、また都市近郊では生活様式の変化により里山の利用が少なくなっています。このため、里山の管理がなされず荒廃が進んでいます。
 その結果、森林が本来持つ多面的な機能(水源涵養、生物多様性、災害防止、地球温暖化、レクリエーション機能)が発揮できない森林が増加しています。森林の荒廃は、国土の保全や環境にも大きく影響を与え、土砂災害や流木災害の危険性が高まっているところが増えています。

 このような中、中山間地が抱える防災上の問題は、以下の通りです。

 1.人口減少による防災活動等の担い手の減少が進んでいる。
 2.防災活動に資する資機材が偏在している。
 3.集落への道路が被災し孤立化が発生しやすい。
 4.土砂災害の被災危険箇所が多い。

 これらの問題を、すべて公助により対応するには限界があることから、自助・共助の地域コミュニティを基本とする防災力を強化することが必要になっています。

【里山砂防とは】
 里山砂防事業は、個別の集落が持つ防災機能を共有することによって、一定の地域防災力を確保できる一連の集落集合体を事業の実施単位として、ハード・ソフトの両面から総合的な砂防事業を展開するものです。また、これにより地域活性化のための諸施策を支援するものです。

 ●過疎化などの影響で荒廃が進んだ山林を、住民と連携して保全を図る取り組み。
 ●里山地域の土砂災害からの安全を図るのと併せ、自然環境豊かで災害に強い地域づくりを行う。

第7回環境研究機関連絡会成果発表会資料-抜粋
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