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CIATEC INFORMATION

CIATEC INFORMATION No.107

CIATEC
INFORMATION
2017年3月

No.107

お取引先様 各位
シアテック オーナー支援業務実績のご案内

『住化農業資材株式会社 小山農材工場新築工事』

 皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
 日頃は格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。

 今回は、弊社がオーナー支援業務として携わり、2016年10月に竣工しました『住化農業資材株式会社 小山農材工場新築工事』についてご紹介させていただきます。

 本工場では、同社で研究・開発された野菜・花卉の発芽改良種子、コート種子の製造をされており、今や国内の野菜生産には欠くことはできない高品質な製品を市場に提供されております。

 工場は昨年7月まで、茨城県筑西市にて下館工場として操業されておりましたが、事業拡大に伴う生産能力の向上を目的として設備を増強し、今回栃木県小山市に移転されました。

 本工事は、(株)一宮工務店へ設計・施工で発注され、当社は、住友化学グループのエンジニアリング部門として計画段階よりプロジェクトに携わり、地質調査から始まり、建築設計内容確認・協議、各種申請、工事発注、工事監理および工事完成まで業務段階毎に、お客様が要求される事項が適正に反映できているかを住化農業資材(株)殿と協働で確認させていただきました。

 本工事の特徴としては、システム建築の採用により低コスト・短工期を図り、さらに無駄な空間を圧縮して施設をより有効的に活用できるよう協議を重ねて設計に反映いたしました。また、基礎地盤については、当社にて事前に実施した地質調査をもとに地質構造の生成過程を考慮して、適切な建家配置を提案し、施工段階における手戻り及びリスクの回避に貢献いたしました。

【施設概要】
建設場所 : 栃木県小山市延島
敷地面積 : 13,020.58㎡
構造規模 : 鉄骨造平屋建て
建築面積 : 2,787.95㎡
     (工場棟 2,607.95㎡)
     (包材倉庫 180.00㎡)
延床面積 : 2,828.45㎡
     (工場棟 2,648.45㎡)
     (包材倉庫 180.00㎡)
設計施工 : (株)一宮工務店

弊社は、今後とも最適な技術とこれまで蓄積したノウハウの活用により、お客様の多種多様なご要望に対し的確な提案と対応に今後とも心がけてまいります。


【 住化農業資材株式会社 小山農材工場新築工事 補足資料 】


設計時に当社から工夫・提案した内容

1.事前の地盤情報把握による建屋配置計画の提案
関東一帯では、富士山の噴火爆発に伴い関東平野全体に堆積している関東ローム層の境界付近に、火山噴火・火砕流に起因する「スコリア」「軽石」「黒ぼく」が分布している地域があります。
当該建設地も上記地域に位置していることから、事前に地質構造を調査把握し、建屋配置を計画する必要がありました。
そのため、当社が地質調査を行いその結果から、経済合理的な建屋計画・基礎構造を提案し、この度、竣工いたしました。
<用語解説>
火山噴出物として、マグマが火山爆発によって破片となり空中に放出され、冷えて固まったものとして「スコリア」「軽石」があります。
・スコリア:玄武岩や安山岩などからガスの通り道となった多孔質の暗黒色、暗褐色の岩石。ローム層境界下層に堆積する傾向にある。
・軽石:溶岩が発砲して灰色や白色になって固まったものであり、ガラス質繊維状のものがほとんどである。栃木県では鹿沼土などが有名である。
・黒ぼく:堆積した火山灰の風化と並行して腐植物が集積した土。通称、「黒土」として畑地利用されている。


2.適切な建屋高さの採用による建設コストの削減

 今回の建物についてはシステム建築(プレハブ造)で計画されている為、当初、部屋毎で異なる「必要な天井の高さ」に関係なく、屋根の高さは建屋全体で同一で計画されていました。そこで下図に示す通り天井高さの計画に併せて建屋の軒高さを変えることで、無駄な空間を圧縮し建設資材(外壁材、鉄骨)を最小限となる様に工夫しました。
 更にこの高さの変更を利用して、窓等の開口部を設置できなかった部屋については、当初、屋根面のスモークハッチ設置による排煙を計画していました。今回軒高さを変更したことに伴い、外壁面に排煙窓を設置することが可能となり、建設コストの削減も同時に実現できました。



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