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CIATEC INFORMATION

CIATEC INFORMATION No.111

CIATEC
INFORMATION
2017年7月

No.111

お取引先様 各位
シアテック設計・監理実績のご案内

『愛媛県美術館南館 耐震改修工事』


 皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
 日頃は格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。

 今回は、弊社の設計・監理により 2017 年 6 月に竣工しました『愛媛県美術館南館 耐震改修工事』についてご紹介させていただきます。
 本建物はその前身である「愛媛県立美術館」として 1970 年に開館し、 1998 年の愛媛県美術館(現 新館)の開館に伴い、「愛媛県美術館南館」と名称を変更しました。現在は県内の芸術家の作品展示や創作の場として、県民ギャラリーや県民アトリエが設置されています。

 本建物は 1981 年以前に建設された旧耐震基準の建物で、耐震性が乏しく、大規模な耐震補強が必要でした。
しかし、美術館という性格上、展示面積を大幅に減少させることを回避しつつ、来館者の動線にも配慮する等、補強部材の配置は限られた中での計画となりました。
また、本建物は松山市の城山公園堀之内地区内(松山城跡)にあり、文化財保護法上の規制により、掘削工事の制限や、景観を損なう外部側の改修に制約があるなど、補強工法にも制約がありました。

   【北側からの外観】
 改修設計につきましては、構造面では解析モデルを複数案検討し、モデルの合理化を図ることや補強部材の配置バランスを考慮することで、補強個所の削減に努めました。
 意匠面では改修部と既存部との調和を図り且つ、その用途に適した仕上げとなるよう配慮することで、美術館としての意匠性を保ちました。
本工事は工期約 10 カ月の間、美術館を休館にしての工事であったことから、建物の利用中にはできない、空調熱源機器や高架水槽、非常用照明、車椅子昇降機等の更新も行い、県有の美術館として使用する方々が安心して快適に芸術に興じられる空間として生まれ変わりました。

   【内部:玄関ホール】

 弊社は、今後とも、建物に適した改修計画から詳細設計、工事監理、完成に至るまでお客様とのコミュニケーションを密にし、お客様及び利用者の想いを形にできるよう取り組んでまいります。

-以上-


【 愛媛県美術館南館 耐震改修工事 補足資料 】



    ~Before~
   (斜行タイプ)

    ~After~
   (垂直タイプ)

【内観:玄関ホールと更新した車椅子昇降機】
 既存の車椅子昇降機は積載重量が 150kg でしたが、電動車椅子の方も利用可能な積載重量 245kg のものに更新しました。




【内観:2階 県民ギャラリー】
 耐震補強ブレースを屋内側に設置する箇所にガラスケースのスペースがあり、ガラスケースの利便性が低かったため、そのスペースを利用し耐震補強ブレースを設置しました。
 ブレースを設置した個所は有孔ボードで塞ぎ、展示スペースを以前より広く確保することができました。



 最後に、夜景の外観を掲載させていただきます。 改めて夜景で見ますと、荘厳な雰囲気と建物の歴史が感じられます。
このような、県の重要且つ歴史のある建物の改修設計をさせていただき、お客様の満足を得られましたことは、弊社の歓びとしております。
弊社は今後とも、こうした設計案件に積極的に取り組み、お客様の安心と満足をデザインするお手伝いをしてまいります。


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